ヒトが人を襲うゾンビの様な感染者(ZQN)から逃れるために、冴えない男が 必死に大切な人と生きようとする姿を描いた、漫画原作のアクションホラー作品。
妄想癖のある主人公に翻弄されたり、 スリルやグロテスクな表現が秀逸でハラハラ、ドキドキできるが、 度を越えていて過剰に思うシーンもあった。 ZQN化しても尚、人だった時の依存や呪縛からも逃れる事のできない愚かさ、 世界が崩壊しそうな中でもカーストがある醜さなど、 本当の恐怖や虚しさを感じた。 終始が不鮮明なので、続編があれば期待してます。
突然、戦国時代にタイムスリップしてしまった高校生は、織田信長と瓜二つな事で 身代わりを頼まれ、信長として乱世を生き抜く。テレビドラマの続編映画。
歴史書の信憑性を疑問に思うこともあり歴史には疎いが、 SF要素や現代人と過去人とのズレた掛け合いは面白いし、 主人公の熱さ、人間臭さがとても魅力的で歴史に興味が無くても楽しめる。 そんなドラマの完結作品ということで期待していたが、 どんでん返しもなく、敗れる形での幕引きにはがっかりした。 怒涛の世を生きた経験値を、死して戻った世界でどう生かして行くのか、 彼なら軽快で心地いい響きを奏でる、良き指導者に成りそうだ。
拘置中の死刑囚から雑誌社に届いた手紙により、未発覚の殺人事件とその首謀者が 明るみに出る、実在の事件を基にしたフィクション作品。
表現の自由を脅かす国家とそれに抗う組織の抗争と主人公の成長、恋愛を描いた 小説原作映画の続編。昭和から「正化」へと元号が移ったパレラルワールドが舞台。 悪意ある言葉が溢れる世界。 時に人権をも侵害する凶器を抑制する為には武力行為も厭わないと判断した政府。 危機感を感じ賛同する人、自由を望む人、無関心な人。 言わんとする内容はとても興味深いのだが、 戦闘シーンばかりが際立って、続編なのにも関わらず何も伝わってこない。 架空の法律がテーマなだけに図書館側の偏ったシチュエーションだけで無く、 いろんな角度から描写して現実味を持たせた作品なら楽しめたと思う。
高速増殖原型炉の上空でホバリングをしている自衛隊に納品予定だった最新鋭の ヘリコプター。要求を飲まなければ原子炉に墜落させると言う犯人の目的は?
テロリストがこういった事件を起こす可能性はあるかも知れないが、 子供の命を天秤にかける事などの、政府の対応がフィクションなので 現実味がなく想像もできず、入り込めない。 それでも、犯人の心理には共感できる所があった。 原子力発電は天使か?悪魔か? 今となっては見切り発車だったかもしれない。 理想を求めるあまり汚い部分を有耶無耶にしてしまう人間への警鐘。 胸が痛い。。。
何をしても熱中する事なく平凡な高校生活を送っていた2人の青年が、自分たちの 才能を信じ協力し合いながら漫画家を目指す、マンガ業界の裏側を描いた青春作品。
誰もが経験した事がある様な、もやもやがありながらも一歩踏み出せずにいる。 そんな日々が、友情や恋愛をきっかけに動き出すストーリーに、 過去の景色がフラッシュバックして、ドキドキ、ワクワクさせてくれる。 主人公たちの描いていたマンガの内容が分かりにくかったので 原作者の凄さが伝わらず、明瞭にした方が更にのめり込めたと思う。 病気を押しのけてまでもマンガを完成させたい執念は感動的だったが、同誌に 連載する漫画家に助けて貰う展開は中途半端に思えて、達成感を得られなかった。 漫画家同士の会話や無二のライバルに勝利して燃え尽きる流れなど、 スラムダンクのオマージュのようで、ラストにもう一声ほしかった。 それでも画期的なCGが素晴らしかったので、今後の邦画に期待。
1950年代のソビエト連邦を舞台に政権に翻弄される社会情勢と、国家に野放しに された猟奇的殺人事件を追う事で命を狙われる捜査官を描いた作品。
時代の所為か?人格の問題か? 歪んだ思想、所謂全体主義がテーマで、 序盤は複雑かつハラハラするストーリーが展開されるが、 反面、歪んだ思想が無ければサスペンス、ミステリーとしての見ごたえは乏しい。 社会風刺だけでなく殺人犯にも重きを置いた脚本であれば、 最後まで興味が尻窄みすることなく鑑賞できたかも知れない。
人類の存亡をかけ巨人との戦いに挑む調査兵団。人類劣勢の中、巨人を攻撃する巨人 が現れるが… 敵か味方か? そして巨人に隠された真実が明かされる。
近い将来、爆発的細胞分裂によって人間が人間を巨人化させた。 結果、人類はひとつに成れたかと思われたが、そんな閉鎖空間の中でも 欲望は尽きないもの。平等になる事なんて無かった。 超大型巨人のCGは圧巻だったが、黒髪の巨人 vs. 白髪の巨人の戦闘は ヒーロー特撮ものの様な映像で、時代遅れであり迫力にも欠ける。 前編から期待した、登場人物の言動は中途半端なままで、 胸が熱くなる事も、共感もできず、脚本に驚かされる事も無く。 それ所か、クレジット後の含みを持たすラストシーンに、ズルさを感じた。
百数十年前、巨人によって絶滅の危機に晒された人類は巨大な壁を築き壁の内側で 暮らしていた。しかし突如、壁は壊され巨人への恐怖の日々が再び訪れる。
巨人に知性は無いらしいが、人間を見つけた時や捕食するときの表情が不気味で 気持ちが悪く、とてもグロテスクに表現されているため、 ホラー映画のような、巨人に対する恐怖心を植え付けられる。 不必要に思える恋愛や原作と違う映画サイズの脚本に納得できない点もあるが、 原作がしっかりしているので見ごたえはある。 エレンは頼りなく、アルミンは聡明とは言い難いし、ミカサは親友を捨てる。 メインキャラが中途半端で心を打つ様な、引き込まれる様な感覚を得られない。 彼らの成長や結末を続編に期待。
不思議なピンバッジによって訪れることができる未来都市。 少女はそこへ行くために奮起するが、その裏で地球の危機が迫っていた。 異次元で天才達が創造した「すべてが可能になる世界」 設定は斬新で、不安定な政府や紛争、環境破壊などの世界情勢と それを打破する強い心を持ち、奔走する活発な少女を描いた 作品のテーマや多くの謎には引き付けらたし、高揚感もあったが、 伏線の回収、説明が不十分に思えた。 夢を持つこと、諦めないことの大切さを再認識させてくれる作品。
大使館の裏通りで起きた死亡交通事故を捜査する検事に、様々な壁が立ちはだかるが、 何事にも屈しない型破りな彼は仲間の力を借りながらも真相解明に挑む。 過去に実在したネウストリア公国を用いて外交や治外法権などの 国際問題を取り上げる複雑な設定は面白いが、 重要人物が身近に居たり、重要現場がロケの撮影に映り込んでたり、 主人公のまっすぐな姿に感化される流れなど捻りのないストーリーで テレビ版の延長線感が否めず、物足りない。 それでも笑い所からシリアスなシーン、恋愛模様のゴタゴタまであり ファンなら楽しめる作品。
「明日の予告を教えてやる」ネット上に現れた新聞紙を被った謎の男が言う。 世界を変えると豪語し法では裁けない者への制裁を始めるが、彼の目的は何なのか? 誰もが幸福を求める。単純に生きていく中で当然の行為。 そんな人を、からかったり蔑む人。 ネットカフェから日本を動かしたシンブンオトコ。 怖さ反面、彼等を支持したい気持ちがあるのも確か。 この行為の善悪は別として、警察を踊らせた巧みなシナリオは見ものだった。 感動的な結末だったが、主人公が報われてないような気がして、 やっと出会えた仲間と幸せを掴めるほど世の中は甘くないよね…
5回目の結婚記念日に突如失踪した妻。現場の状況や過激な報道による世間の声。 次第に容疑は夫へと向けられていくが、そこには予期せぬ謀が… 献身的な妻と、妻のことを何も知らない求職中の夫。 さらに次々と夫のボロが出くる中でも、話の食い違いによる違和感を抱く。 妻の日記と共に進められた構成によって、見事に彼女に支配されていた。 猜疑心が途絶えない、とてもスリリングなストーリーだが、 殺人犯の異常者が裁かれないラストに落胆した。
花嫁紹介サイトに登録した銀行マンの元に現れた言葉も通じない異国の女性。 彼は日に日に彼女に惹かれて行く。ハニートラップだも知らずに…
予想し得るストーリーで驚きがない。 怪しく見えて、温かな結末が待っているのかと思えば、 騙されて、争って、挙句が他人のパスポートで国外逃亡。 締め方も無茶苦茶で、この恋の行く末も怪しいもんです。
パッと見は陽気なおじさん。ホームセンター勤務で仕事後にカフェに通うのが日課。 そこで知り合った少女がギャングから暴行され入院した事を知ると豹変する。 勧懲思想で強い正義感を持つ彼の行動は勇敢で爽快だが、物足りない。 少女の友達は殺されてるし、彼に係わった職場の人達も巻き込まれている。 卑劣に手段を択ばない者勝ちの世の中を覆す作品は不可能だろうか。 「なぜ生れたか」の問いに答えられる人は、どのくらい居るのだろう?
切腹の執行が3年後に迫った武士の生き様を彼の見張り役の視点から描いた時代劇。 監視する中で人柄や意志、さらには切腹を命じられた事件の内幕を知る事となる。 全てを悟ったように潔く余生を全うする姿は心を打つ。 それを見守る様に、また見守られるように暮らす家族の様子が切ない。 人を想い家中への奉公を何よりも考えた人格者が罪を被る理不尽な世の中。 生きる希望を見出すのは難しい。
1980年後半の静岡と東京を舞台に当時のヒット曲、ファッションと共に展開する ラブストーリー。ラスト5分で全てが覆るミステリーを兼備した作品。
恋は盲目。無理な事なんて無い、何でもできる気がする。 だけど、少しづつ面倒になって次第に鼻についてくる。 過去に体験したことがあるような甘く切ない思い出。 変なあだ名のつけ方をした時点で完全な黒だと思ったが、 ここまで複雑に絡み合っているとは予想を上回った。 彼女の愛情、本心は?気になる… 2000年前後を題材にした作品ならもっと楽しめたと思う。
女詐欺師が騙そうとした男は30人の詐欺チームを束ねるリーダーだった。 2人はクルーとなりやがて恋に落ちるが…男女の駆け引きを描いた作品。 ペテン師の恋愛模様に、騙される以前に感情移入ができない。 クライマックスの撃たれて蘇生させる展開には驚かされたが、 ガリーガのパスワードを盗んだ方法は迷宮入り。 クライムサスペンスと言うよりも、ラブロマンス。
学年ビリの成績だったギャル系高校生が、高2の1学期に受けた停学処分を きっかけに、慶応大学を目指すため努力を重ねる実話を基にした作品。
主人公の母や友達への想いと父や担任を見返したいという気持ちで 一所懸命勉強に打ち込む姿が健気で感心するし、 塾講師のキャラや献身的な姿勢、機転の利いた教え方に好感が持てる。 苦悩しながらもみんなに支えられ前向きで明るく、 真面目なさやかに笑顔を貰った。 きっと素敵な未来が待ってるんじゃないかな。
見覚えのない場所、見知らぬ人、自分の名前すら分からない。 巨大な迷路に囲まれた村で目覚めた青年は、そこから抜け出そうとするが…
抗う者と、支配される者のとの対立。 村のしきたりに従わず、リスクを負ってでも 何かに導かれるようにアクションを起こす主人公にハラハラさせられる。 謎の施設、謎の病、謎の殺人ロボット、謎の組織。 狙いは何なのか? 新薬開発に関わる研究?? 私利私欲によるもの?? 映画3部作の1作目。次回作に期待が高まる。
金に抱いたトラウマから逃れるため田舎に移住した元銀行員の青年が、 村民の助けを受けながら0円生活を始める、漫画が原作のコメディ作品。
癖のある村人とのやり取りは面白く、なんだかんだ暖かい。 が、笑い所や感動は少ない。 村長や神様から薫染をこうむり、村長に立候補したタケが イノベーションを起こして恩返しを成していく姿が見たかった。 無駄にエロいシーンは余計です。
自分の欲望のままに人を殺めていく残忍な主犯格にも驚かされるが、 それを支持する人間にもゾッとする。 金に溺れたら終わり。そんな幸せなら要らない。 事件の真相解明に尽力していた記者だったが、次第に家庭も顧みず殺人犯を 死刑にする事に執着し始める。 これは善か悪か。 まるで殺人犯のような表情で何を考えていたのだろうか。
偉大なドラマーになる事を夢見てアメリカで最高の音楽学校へと進学した青年が、 校内トップと名高い指揮者の指導を受ける事となるが…
過剰な指導はジャズ界の未来の為では無く、自分の名誉の為にしか見えない。 教え子が自殺したことを偽ったのも根の悪さを物語っている。 涙も嘘だったんだろう。 復讐する為に誘い出した音楽祭のシーン。 ゾーンに入り、してやったり顔のニーマン。 想像を超えた演奏に呆気にとられるフレッチャー。 ここでラストを迎えるが、フレッチャーの指導の良し悪しはニーマン次第。 だが、後日談は語られない。